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●循環型農業に経済性はあるのか。

 現代の農業の多くは依然として環境に大きな負荷を与えています。我が国では、たった半世紀ほど前までは、目を見張るような循環型の農業伝統スタイルが日常的に維持されていました。 その途絶えた記憶を有機農業として我々の先輩がコツコツと掘り起して実践し、ノウハウとして紡いでこられています。
 これらの持続可能な有機農法は、慣行農法に全く劣らないばかりか、これまでの農業に比べてはるかに少ない生産資材で、品質が優れた食糧をより多く供給されている先輩農家との出会いが当団体の知的資産になってきています。

 一方で、多くの若手就農家と出会い、彼らと供に成果をきちんとあげている有機農業の先輩に学ぶ機会提供にやりがいを感じています。循環型農業独自のスローな生き方を学ぶ取組を紹介します。

Raspberry-piとスマホで畑に水やりキット研究・開発

issue:2020.02.02

僕らの農場は、全部で1.8ha(2020.2月現在5,400坪) 中心となる大和高原の圃場だけでもざっくり7カ所に分かれています一か所あたり10a(300坪)~30a(900坪)と小さな畑を集めて野菜を作っています。
●移動と待ちに熟練者の時間がとられる。
どの畑でも土が乾けば水やらないといけません。各畑の移動平均に20分、水やり栓を開く、待つ、栓を占めると待ち時間に40分/10aとざっと80分/個所は水やりと移動に貴重な熟練者の時間が取られるわけです。僕らの圃場7ヶ所にこの作業が必要になると、水やりだけで一日が終わり、他の事はほとんどできなくなります。
●栓は開けたら閉めないといけない。
あたりまえですが、水やりが終われば灌水栓を閉めないといけない。水やりはじめたら、十分水を配れるまで待っているか、他のところへ移動して戻ってこないといけないわけです。
●乾きっぷりに応じて水やりするのは大変
土壌水分を追いかけて、好ましい土壌水分管理をしたいわけですが、上の事情で細かく畑を回ってられないのが現実です。
●灌水制御システムはある..けど高い。
開発メーカーの立場になれば、エンジニアリングと販売管理に加えて成長するための利益が必要ですから、無理からぬ価格設定なのですが、いかんせん高い。●畑に電気引っ張るのもそれなりに高い。
制御システムを動かすには電源必要です。そこに商用電源引っ張るのは売上:コスト的にもみても負担が大きすぎる。このあたりを解決する仕組みでハードル高いところは、電磁バルブの現場開閉制御、スマホから動かせるアプリかと思い、開発を鳥羽商船高等専門学校との連携でキット化めざして、研究・開発してまいりました。開発着想から4年を経て、安定して動作することろまで仕上がってきました。
直近で導入させて戴いた事例を紹介します。

▼ハウス内の制御バルブ
合計6棟、12個のバルブを制御しています。
valve

 

 

 

 

 

 

▼制御主装置と独立電源
ソーラーパネルとバッテリーで装置とwifiルーターに必要な電気を確保しています。

灌水制御装置と電源

灌水制御装置とソーラーパネル電源です。

 

 

 

 

 

 

 

▼制御アプリ画面
圃場にカメラ1台設置していまして、現場の状況撮影が随時可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

この仕組、導入先の実質負担額は25万円ほど。
これで生産規模拡大の隘路となっている水やりという課題を少しは解決できると考えています。

本件のお問い合わせは
NPO法人ハンサムガーデン 宇陀農場

育苗支援システム開発・共同研究

issue:2017.09.17

2017年度、奈良県産業振興課の指導のもとで、株式会社福角兄弟農園(当団体顧問先)、鳥羽商船高等専門学校総合情報センターとの連携研究で、中小農家に活用してもらる育苗支援システム開発の共同研究を開始しました。福角兄弟農園様は、ミズナ、リーフレタスの育苗で現場に多くの課題を抱えておられます。ここに当団体がこれまで取り組んできました栽培環境計測および灌水管理の仕組みを連動させて、IoTツール活用による育苗成果をあげられるシステムを開発してゆくものです。要素技術を具体化する期間は9ヶ月。この限られた期間と予算の中で、プロ農家が活用できうるシステムの創出を目指します。

▽2017年9月時点のプロトタイプ
●外観図面

●育苗テーブル試作機

●灌水泉の様子

本件のお問い合わせは
NPO法人ハンサムガーデン 宇陀農場


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