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2013.05.23 アチャ研・活動報告”剪定枝を利用した栽培”セミナーDay1レポ

2013-05-23

分解されにくい剪定枝を畑に投入する栽培が静かなブームです。ただ窒素飢餓をおこしたり、上手くいっていない事例を多く見ます。
発酵途中の剪定枝の山には様々な微生物が活発に活動しています。それを畑の土に透き込む(混ぜ込む)と微生物が活動に必要な窒素を作土から奪ってしまい、一時的に作物が育ちにくい状況が生まれてしまうのです。これを窒素飢餓状態にある現象と呼びます。

アグリチャレンジ研究会ではこのテーマで成果を上げておられる農業者に注目。生化学の知見者でもある彼らとの交流と第一回目のセミナーを開催しました。
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講師である齋藤毅さんは、明治大学農学部を出て奈良先端科学技術大学院を経て、農業生産の現場で活動されるユニークな人材。90分間にわたるセミナーは飛ばしっぱなしなテンションの高いもの。

その内容は…。

■畑にとって良い土
『団粒構造』有機栽培農家が金科玉条として繰り返す、土に求める姿。
保水性がありながら、排水性を同時に持ち、少ない肥料を保持する力を持ち、緩衝性が高く、ふかふかに柔らかい。
多くの疲弊した畑土壌がこの真逆にあり、新規就農者はそうした土地にはりついている。 その様な土をどうやって団粒構造に富む豊かな土地へと変えてゆくのか。

●たった一年で改善した事例。しかも限りなくゼロに近いローコストで。

■積上げ発酵からの獲得物

大量の刈草を2ヶ月以上、積上げておいた畝と何も積上げておかなかった畝の比較から、積上げた刈草の後の秋冬作物がより良い栽培成果がでた。これはなぜか?

積上げた刈草の表層に好熱好気性の微生物が増え、生成された有機酸等の物質が畑にしみこんで価値を生むと考えられる。

剪定枝は刈草と違い3割がリグニンで分解されにくい。このリグニンによる窒素飢餓の誘発よりも、積上げた山から発生する代謝水が良い作用をもたらす。

●この剪定枝発酵に鍵となる施用方法、物質はなにか?

■粗雑な有機物(剪定枝)を施用した土壌への追肥

植物の根は、根元と先端で吸収される性質が違う。ここを意識した追肥のスタイルを考える。

■畑の有害な細菌感染リスクを回避するということ

作物の病原性を示す細菌・グラム染色で陰性となる菌は乾燥、熱に弱い。そして根圏エリアで活発になる特性を考える。

●有益なグラム陽性菌を増やす施用方法が剪定枝栽培なら、どう可能になるのか?

その代謝水が作物の栄養生長に有効に作用する何かがあるのではないか。

セミナーの内容は、この内容を軸に理論と実践についてまとめて戴きました。

次回のDay2(6/19)は、実践されている農場を皆で視察にゆく予定。

参加希望者は、概要を読んで、お申込下さい。


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